前回、前々回にて正弦波のデータをもとにグラフ化をすすめました。
今回そのデータをどのように作ったか、そのことについて記事にしたいと思います。
そんなこと、どうでもいいじゃんと思いますが、
なかなかどうして分析ツールなりグラフを書く際に、模擬信号を使うことはよくあります。
その時に、自分で評価の元となるような模擬データを作ることができるかどうかは
分析者としての実力が如実に現れます。
何を、どのような目的で、どのように評価するか、5W1Hに近いものがあります。
というわけで、本記事では【Excel】で正弦波を作ることについて記事にします。
通常の正弦波(サイン波)を作る
正弦波とは
まずは通常の正弦波を作ってみます。
先日の正弦波データは以下です。


これはいわゆる正弦波交流信号と呼ばれるものです。
Excelでこの信号を作る際に必要なパラメータは以下です。
- 振幅 ← 最大値と呼ばれる値です。単位は現状ありません。分析する対象に依存します。正弦波01でいうと「1」となります。
- 周波数 ← 振動数とも呼ばれます。単位はHzです。正弦波01でいうと「0.25Hz」となります。
- サンプリング周波数 ← サンプル数とも呼ばれます。データの細かさもしくは時間間隔を意味します。単位はHzです。正弦波01は「10Hz」となります。
正弦波の数式
正弦波はExcelで作成する場合、以下の数式で描画させます。
上記の「2✕π✕f」は角速度です。
角速度は1秒間あたりに回転する角度(単位はラジアンrad/s)を意味します。
B列に記載するExcelの計算式は以下です。(セルB3に入力する場合)
ちなみに式中の「0.25」をセル参照の値にしていれば、値を変更するだけで任意の周波数の正弦波を作ることができます。
ただしその場合、波形の再現性はTの細かさに依存するため、
サンプリング定理を理解してTの時間を設定しなくてはいけません。
余談ですが、サンプリング周波数についても少しふれます。
サンプリング周波数についての検証
一般的に目的の周波数をグラフ描画するためには、サンプリング定理から2.56倍(もしくは2倍)以上のサンプリング周波数が必要となります。
今回の場合は0.25Hzなので「0.25✕2.56=0.64」となります。
が、サンプリング周波数は通常10倍以上に設定したほうがより正確な波形を描画することができます。
すこし検証してみました。

波形の表示の品質が問題なさそうなのはサンプリング周波数が「3Hz」以上となりました。
計測の現場では10倍以上のサンプリングを維持しておいたほうが無難ですね。
まとめ
以下まとめます。
- 正弦波をExcelで作ることができる
- 正弦波は、「振幅」「周波数」「サンプリング周波数」が必要
- サンプリング周波数は少なくとも10倍以上の設定が必要
正弦波は様々なシーンで使われます。
要点をおさえて活用していきたいですね。
今後もこういった事項は都度記事にしていきたいと思います。
よろしくお願いします。