こんにちは、うさじん(@Rabi_Jin_)です。
Salome-Mecaについて、ポスト処理時のアニメーション描画をやってみました。
Salome-Mecaはオープンソースでありながらも様々な機能をもつCAEソフトウェアです。
アニメーションに関してあまり文献がなかったため、我流ながら挑戦してみました。
使用するデータは前回記事に使用していた片持梁の固有振動数解析結果です。
固有振動数における振動モードをアニメーション描画します。
こんにちは、うさじん(@Rabi_Jin_)です。 タイトルにあるようにオープンソースCAEである「Salome-Meca」を自PCに導入しました。 本記事では、その導入についてご紹介します。 &n[…]
こんにちは、うさじん(@Rabi_Jin_)です。 プライベートが忙しく前回記事より期間が空いてしまいました。 本記事は、オープンソースCAEソフトウェア「Salome-Meca」の固有振動数解析につ[…]
Salome-Mecaの起動とデータの読み込み
まずはSalome-Mecaを起動、前回の固有振動数の解析結果データの読み込みを行います。
固有振動数結果のデータを読み込み、固有振動数の一覧を表示させました。
アニメーションの設定
アニメーションの設定をする手順は以下となります。
- コンター図の表示
- アニメーションの設定
- アニメーション描画
コンター図は、3次元(2次元も有)にモデル化された対象に対し、解析結果(変位、応力等)を当直線図、等高線図のように値の変化の度合いを分布図で表したものです。
コンター図を分析することで、解析モデルの挙動、変化の度合い、分布を確認することが可能となります。
これは解析結果の評価を行う上で重要な工程の一つです。
コンター図の表示
コンター図を作成します。
ツリーにある、読み込みをしたデータを選択した状態で「Warp By Vector」というフィルターを追加します。
1次固有振動数 8.27213Hzのコンター図が作成できました。
ちなみにこの時点で、モデル図は既に1次固有振動数の振動モードの挙動を描画しています。
「Scale Factor」で挙動の振幅の度合い、「Vector」と「Coloring」のプルダウンで固有振動数の選択が可能です。
ただし、コンターの色の変更は各固有振動数で個別設定のため、固有振動数を変更する場合は都度、コンターのプリセットの設定が必要です。
コンターの色プリセットも様々なセットがあるので好みのものを選んで下さい。
色々と調整してみて解析結果を確認すると良いでしょう。
アニメーションの設定
アニメーションの設定を行います。
アニメーションは現在開いているモデル画面下の「アニメーションの概要」の箇所で設定が可能です。
もしこのタブがない場合、ツールバーの表示>Windows(i)>アニメーションの概要 で表示ができます。
アニメーションの概要は、以下の様に設定します。
設定が終われば「OK」でウィンドウを閉じます。
多少の差異はあると思いますが、以下の画面になると思います。
ここまでの設定は以下の内容です。
アニメーションの全体を「EndTime」で10秒間の設定、「No.Frames」で10秒間のフレーム数を21フレームに設定します。
モデルの挙動を「Warp By Vector」に設定し、2.5秒目に振幅100、5秒目に振幅0、7.5秒目に振幅-100、10秒に振幅0を「Ramp」で表示する設定です。
「Ranp」はランプ信号(傾斜信号)を意味します。
これでアニメーションの設定は完了です。
アニメーションの描画
アニメーションを描画します。
これだけで再生ができます。
1次固有振動数 8.27213Hを再生した場合は以下になります。
アニメーションの完成
1次~7次の固有振動数の振動モードをアニメーションにしました。
各固有振動数の振動モードの分析
各固有振動数の振動モードを確認したところ、前回記事の理論解と解析結果の比較表について、間違っていた箇所があることがわかりました。
正しくは以下の表となります。
次数 | A:理論解 | B:解析結果 | 誤差(B/A) | 方向 |
1次 | 8.2541 | 8.2721 | 1.00 | 短辺方向の1次 |
2次 | 16.5083 | 16.525 | 1.00 | 長辺方向の1次 |
3次 | 51.7318 | 51.8187 | 1.00 | 短辺方向の2次 |
4次 | 103.4636 | 103.371 | 0.99 | 長辺方向の2次 |
5次 | 144.8651 | 145.003 | 1.00 | 短辺方向の3次 |
6次 | 289.7303 | 288.596 |
0.99 |
長辺方向の3次 |
どういうことかといいますと、解析結果の6次固有振動数 283.895Hzは短辺方向の4次固有振動数であって、長辺方向の3次固有振動数ではありません。
解析結果の7次固有振動数に288.596Hzが存在しており、この値が長辺方向の3次固有振動数となります。
値がほぼ同値であったため気づきませんでした。
結果として、誤差(B/A)は1に近くなり、より精度の高い値で解析ができていることがわかりました。
こういった分析は振動モードをアニメーションで描画することでわかる事実です。
振動数の値を確認するだけではなく、振動の挙動を確認することも大事なことがわかります。
前回記事は後日、修正致します。
こんにちは、うさじん(@Rabi_Jin_)です。 プライベートが忙しく前回記事より期間が空いてしまいました。 本記事は、オープンソースCAEソフトウェア「Salome-Meca」の固有振動数解析につ[…]
おわりに
今回はSalome-Mecaのアニメーション機能を使用して、固有振動数の振動モードを描画しました。
上述したように振動の挙動を分析して初めてわかることもあります。
CAEは結果がすぐにわかる反面、分析がおろそかになってしまうことがあります。
多角的に物事を見ることが大事ですね、勉強になりました。
ではまた次の記事であいましょう。
よろしくお願いします。